■日時:2021年11月28日(日)14時00分~16時00分
■場所:東中野公園、松が谷49−6サロン
■主催:一般社団法人コミュニティネットワーク協会
参加者:31名(松が谷:22名 鹿島:4名 他市:1名不明:4名)
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松が谷の豊かな自然を知り、体験するツアーを2021年11月28日(日)14時から開催しました。NPOフュージョン長池の小林健人さん(長池公園副園長)を講師にお招きして、解説いただきながら東中野公園を1時間ほど散策しました。また、ツアー後、場所を室内に移し、自然観察や環境についての講話をいただきました。小さなお子さんから高齢者まで合わせて31人のご参加がありました。
今回のセミナーは、松が谷商店街にある空き店舗(スーパー跡)を活用して整備する交流拠点は、「自然との共生」をひとつのテーマにしていることから、身近な自然を知り、体験しようということから企画しました。
集合場所はプロジェクト対象地の前室の「のきさきフロンティア」(スーパー跡)です。風はやや冷たいものの、天候に恵まれた日曜午後。講師の小林健人さんのお話から自然環境ツアーはスタートしました。
東中野公園は松が谷地区のほぼ南西の角、「松が谷」バス停のすぐ隣にあります。松が谷商店街から歩道橋を渡ったところにある緑豊かな公園です。
公園の入り口から小林さんのお話は始まりました。
「これは、ハリギリの木。若い木や幹にトゲがあるのが名前の由来。大きくなるとトゲがなくなります」
まもなく右手には池が広がります。
「あれはカルガモ。一年中います。嘴の先が黄色いのが特徴。あちらにいるのはマガモ。渡り鳥です。彼らは夜行性。20時頃、ここから飛び立ち、田んぼや大栗川へ餌を探しにいきます。東中野公園の池で彼らは何をしているでしょう。はい、夜行性ですから日中はぼうっとしているんです。餌をあげたりすると、自分で餌を探しにいくのがおっくうになってしまいかねません。さきほど事前視察にここにきたときは、アオサギがいました。ちょっと見えませんが、そのあたりにいるんじゃないかな。池の水は少し淀んでいますね。再来年は、かいぼりを予定しています。そのときは、みなさん一緒に参加してください」
東中野公園はモミジが美しいことで知られる。その理由も教えていただきました。
「いろはモミジが多いのが魅力です。モミジは水が豊かなところほど真っ赤に紅葉します。池があるから、ここのモミジはきれいなんです」
池の周りを歩いていくと、再びマガモの話になりました。
「あそこにいるのは、マルガモ。マガモとカルガモが交尾して生まれてハイブリッド。一世代のみで、子孫は残せないんです」
参加者は、自然界で繰り広げられる動植物のお話に「へえっ」と驚いたり、「そうだったんだ」と頷いたりしながら、ツアーを楽しんでいる様子。
「これ、センボンヤリです」と指さされたところに目を近づけると、土から10センチくらい茎を伸ばして白っぽい綿毛が種を付けているのが見えた。別名を紫タンポポというのだそうです。
「これは東中野公園の誇りです。木の根本にけっこう咲いています。踏まないように、そっと見てください」
この日は、渡り鳥の話、植生の話の他、松が谷という場所が開発された頃のお話にも。
「このあたりを開発するときに、全国から土や石を運んできました。だから、関西地方にある植物がここにあったりします。この御影石はすごいんです。この石にだけウチワゴケが根づき、雨のあとには緑豊かな葉を伸ばすんです」
松が谷は湿っている低湿地帯だそうで、それゆえにクロテンツキなど絶滅危惧種とされる種もあるのだそうです。
公園ツアーの後は、地域の集会所の松が谷サロンに移動し、このプロジェクト(団地プロデュース型コミュニティ再生計画)を説明。初めて参加された方も多く、スーパー跡に共生型の交流拠点ができることに関心をもっていただきました。
小林さんからは「松が谷のここがすごい!人と自然がつくる街」と題する講話をいただきました。松が谷も含めた東部地区には10万人が暮らし、多様な公園と緑地があるとのこと。松が谷地区は、かつては標高130mの主尾根が東西に伸び、南北に小尾根と浅い谷が入り込んでいたそうです。1975年に大塚から分離して松が谷となったが、由来は井戸ノ上にあった松が谷戸からとったとのこと。1976年にURの団地に入居開始、2000年には多摩都市モノレール松が谷駅開通。ほぼ全域を多摩ニュータウンの18住区が占めており、東京都が施工を担当したのだそうです。
松が谷の緑は、意図して残された昔からの林と造成によってもたらされた林に分けられるそうです。特徴は3つ。ひとつはかつての民有地はほとんどが「公有地」に。それだからこそ(公有地だからこそ)、これだけの豊かな自然が引き継がれてきたといえる。ふたつめとして地図上の番地はぶつぶつと境界線で分断されるが、緑はつながる。そのおかげで動物たちが「緑の回廊」を(緑の帯を使って)移動できる。
3つめは造成前に表土を切り取り別の場所に保管しておき、造成終了後に保管しておいた表土をふたたび練り直す技術(=表土保全)が用いられたため、もともとそこに生えていた草木を保存できたということ。
このほか注目したい動植物たちを写真で説明いただき、この地域の自然の豊かさを満喫するひとときとなりました。
「多様で美しく、そして愛おしい松が谷の自然。皆さんも一緒に見守っていきませんか?
私たちの手で未来に繋いでいきませんか?」と小林さん。一同拍手で、会は終了しました。
参加された方たちからは、「いつも散歩していたが、初めて知ったことばかり。とてもよかった」「ぜひまた企画してほしい」などの感想が多数寄せられました。
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一般社団法人コミュニティネットワーク協会
「松が谷コミュニティプレイス準備室」
連絡先:080-3702-9992 メール:support@100com.jp